当初、母屋、離れを含んだすべての売却を希望されていた御夫婦からのご相談でした。
問題点として、再建築不可の建物のため売却はほぼ不可能でした。
何件か相談されていたようですが、どこの不動産屋さんや工務店さんにも断られたとのことで、私どもの方へ相談に来られました。
売却後(ただでもよいので)マンションなどに引っ越したいとのことでした。
地盤の緩み、柱の根元の腐りは多少ありましたがとてもしっかりとしたお家でしたので、改修工事を提案させていただきました。
マンション購入と母屋の改修費用を比べても同じくらいの金額で済みそうなこと、建物の歪みも直せることが嬉しくて、改修工事をして住むと決心されました。



間取りは、洋室の小部屋を廊下とつないで対面キッチンのスペースとし、和室4室のうち仏間を除く3室はリビング・ダイニング、寝室へと変更し、広く使える形にすることができました。
水回りは、キッチンの位置を移動し、対面式に変更。
お風呂は増築部分にあって離れていたため、建物内で大きく離れた廊下の突き当たりにあったトイレをお客様用にし、施主様用としてお風呂の近くにもう一つ増設しました。


建物の歪みを改善
建物の歪みには、建物の一部をジャッキで持ち上げて柱の傷んだ部分を切り、新しく根継ぎを施しました。また、地盤の緩みにより沈下した部分には、地盤改良を行い、既存基礎と一体化するコンクリートを打設しました。


あとは、完全にバリアフリーにはできませんでしたが、玄関の段差が極力小さくなるように玄関土間を広く取り、踏み込みに二段の階段と手すりを取り付けて、楽に家に上がれるようにいたしました。
完成後はとても喜んでいただき、「今後も家の管理を任せたい」と嬉しい感想もいただきました。
家のお困りごとを「仕方がない」と諦めずにご相談いただいたことで、解決に至った案件でした。